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『ホームスティーダーズ』

ルールを読んで以前から気になっていたゲーム。最近、コンポーネントを一部リニューアルした第2版が出たということで、名人に持ってきてもらってプレイすることができた。

『ホームスティーダーズ』
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●ホームスティーダーズ
名人 vs みずき vs ウサギ

アメリカ西部への入植者となって、土地に様々な施設を建てて荒野を開拓して町や都市へと発展させていく。

収入を元手にコストを支払って様々な施設を建設することで、その施設が新たな収入や能力を生み出していくというのを繰り返していく拡大再生産系のゲーム。

『ホームスティーダーズ』

ゲームは全10ラウンドで構成されていて、1〜4ラウンドが開拓、5〜8ラウンドが町、9〜10ラウンドが都市と3時代を展開していく。各時代ごとに建設できる施設のタイルが全てオープンになっていて、その広い選択肢の中からコストを支払って建設していくという方式なので運要素は低く計画性が重要な作りとなっている。各施設を建設することで手に入る収入や効果の組み合わせを考えながら、自分が行う拡大再生産の方向性を決めていくことになる。

各ラウンドでは、まず自分の前に既に建設している施設から収入を得られる。

『ホームスティーダーズ』

例えば写真の状態だと右の施設(各プレイヤーの初期タイル)から2金と、左の施設からトレードチップ1枚と2金が毎ラウンドの収入時に手に入る。タイルの上に乗っている人駒は、ラウンド毎に人駒マークが描かれている任意の場所に配置することができ、人駒が配置してあればその右側に描かれているものが収入として得られる。人駒もゲーム中の効果によって所持数を増やすことができるが、一度増やした人駒は減らすことができず、毎ラウンドの収入時に所持している人駒1個につき1金の支出が発生する。

こうして得た資材を元に建設を行っていくわけだが、施設の建設には施設自体のコストの他にその施設を建てるための土地が必要となる。

『ホームスティーダーズ』

毎ラウンド、メインボード上でプレイ人数より1枚少ない枚数の土地タイルが競りにかけられる。各施設は赤、緑、青、黄の4色に分けられていて、土地タイルはそれぞれの色の施設を建てるための権利を表している。写真の例では、左の土地タイルを競り落とせば緑か赤の施設を1枚建設する権利が手に入り、右の土地タイルを競り落とせば青の施設を1枚建設する権利が手に入る。

競りは時計回り順の押し出し式。ボードに描かれた金額欄に駒を配置することで入札していって、一周廻って同じ場所のより高値に入札されていなければスルー、より高値に入札されていれば任意の場所の最高値に新たに入札しなおすか、パスして競りから抜けるか。全プレイヤーが「いずれかの場所で最高値をつけている」か「パスをした」という状況になったら競りが終了する。パスしたプレイヤーはこのラウンドでは施設を建設できないということになるが、その代わりにメインボード下側にある鉄道発展トラックの駒を1マス右に進めて、進めた位置から左側のマスに描かれているものの中から1つを選んで手に入れることができる。

土地を競り落としたプレイヤーは入札金額分のお金を支払って、土地に対応した色の施設から任意のものを選んで(コストを支払って)建設することができる。また、土地には施設の建設権利の他に特殊な効果(特定の資材を支払って勝利点に変えるとか、人駒が即座に手に入るとか。)が付属しているものもある。

以上を10ラウンド繰り返して、最後に一度収入フェーズを行ってゲーム終了となる。最終的には建設した施設から得られる勝利点と、ゲーム中に様々な効果によって手に入れた勝利点を足して最も高いプレイヤーが勝利する。

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コンポーネント量や資材などの要素も多く、その遣り繰りの道筋も多彩で様々な戦略を考えられる拡大再生産系ジャンルのゲーム。それに対してゲームシステムはシンプルな競りとなっているので、複雑な要素を複雑なシステムで動かす同ジャンルの重めのゲームに比べると、ゲーム開始時に気合を入れて覚えなければいけない要素が少ないことが印象を軽くしてプレイの敷居を低くしているのが非常に良いと思う。

拡大再生産ジャンルと競りというシステムは、実は単純に組み合わせただけではあまり相性が良くないように思う。拡大再生産では各プレイヤーが独自の戦略を持ってそれぞれ欲するものが異なることが面白さの要素であるのに対して、競りでは共通の物に対して各プレイヤーが幾らの価値を見出すかということが大事になる。もしこのゲームが施設のタイルそのものを競らせていたら、どちらかの要素が上手く機能しないように思う。そこで、このゲームでは土地という要素を挟んで、施設の建築権利という誰もが欲しがるものを作ってそれを競らせている。これによって各プレイヤーは勝手バラバラなものを求めているのに、それを同軸の価値に換算して競り合うという面白さの両立になっているのだと思う。

と言っても、競りで使用するお金というリソース管理に追加して、施設建設自体のコスト資材管理を行わなければいけないので、ゲーム中に考えなければいけない要素はなかなか複雑なことになる。むしろそれだけに集中して頭を悩ませられるのが「楽しい〜!」という作りになっているのかもしれない。

このゲームでは、いつでも借金をすることができるのだけど、この借金が競りに新鮮な感覚を与えている。そもそも競りゲームで借金がいつでもいくらでもできるというのがなんか凄い! 借金がいつでもできることもあり、このゲームの競りでは「所持金以上の額で入札しても良い」ことになっている。ただし、1借金で2金借りて返済は5金という非道なレートで、返さないで終えると1借金で勝利点マイナス1点、2借金目はマイナス2点(計3点)、3借金目はマイナス3点(計6点)というペナルティを受ける。このペナルティの割合がなかなか絶妙で、競りで勝てば手に入るもの等を考えると「借りて返済しないのもありか?」と悩ましい具合になっている。

競りで他プレイヤーに多く支払わせようと思って手持ち資金より高く吹っ掛けたら降りられて借金することになったり、リソースとコスト管理の計算をミスって「これをこうして…あれ、足りない。」という状況になったときに、借金がいつでもできる(しなければならない)というのは、ゲームの進行に優しく、プレイヤーに厳しくという作りで美しいなぁと思う。

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今回ウサギはトレードチップを使用した資材の売買を重視した建設を行っていった。施設タイルを建設することで得られる収入や交換効果の他に、全プレイヤーは一定のレートに従っていつでも自由にお金で各種資材を購入したり、各種資材を売却してお金と勝利点を得たりすることができる。この購入売却のたびに必要となるのが「トレードチップ」で、直接高級な資材を収入として得られるような施設の建設はスルーして、トレードチップによる購入売却でお金や資材を調達するという方向性で進めてみた。施設の選択肢がいっぱいあったので、とりあえず全員に与えられている権利を利用する方向性ならば、ある程度間違いないのではないかという打算で動いただけなのだけれど(笑)

更に、こうして資材を売却するたびに1金多く得られるという施設を建設して、「木材買って木材売って1金増えて」という錬金術体制が完成。しかもそれをやるたびに勝利点が入ってくるので、基本は毎ターントレードチップの限界まで錬金術してお金を増やしながら勝利点を得ていき、高得点になりそうな施設だけピンポイントで建てて行く方向で突き進む。みずきは無借金を心がけながら各資材やお金がバランス良く手に入るような建設を行っていき、人駒を増やしていきながら最終的には毎ターンの収入で高い勝利点が自動的に入ってくる状態を構築した。名人は金の収入が多い建設を行っていった。金は施設の建設コストになる資材なのだが、土地の競りではお金5分としても使用できる(お釣りは出ない)という優れもの資材で、名人はこれを利用して高額入札によって後半施設数を稼いだ。

ゲームの結果は…ウサギの勝利!

『ホームスティーダーズ』

みずきと名人は同点だった。ウサギは建設した施設や人駒数は少なかったが毎ターン錬金術のたびに稼いでいた勝利点が大きかったのと、金に物を言わせて高得点になる施設タイルを資材を購入で全て済ませて無理矢理建設できたのが良かった。実は今回ゲーム中にはルールを間違えてプレイしていて、競りからパスしたプレイヤーは鉄道発展トラックを伸ばすという部分を行っていなかった。なので今回のプレイでは競りで降りるのは単にしゃがむ意味しかなかった。皆がパスした回数から考えても鉄道発展トラック左の方の資材はもう少し皆に行き渡っていたはずなので、本来はみずきや名人もトレードチップや資金がもう少し潤っていたと思う。施設タイルの内容を知ってからが本当の勝負という感じのゲームなので、是非改めて勝負しましょう!
ウサギ | ボドゲプレイ日記 | 20:52 | comments(1) | - | - | - |

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Comment
インストをしたのは私です。
申し訳なし!
線路トラックのコマが全然動かないので、変だなーと思ったのねん!
たった10ラウンドの競りでサクサク進む手軽なゲームなのねん!
また、遊びたいのねん!

競りと拡大生産マネジメントの関係に言及している部分、し・び・れ・ま・す・ね〜。

posted by 名人 ,2011/12/14 6:46 PM











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